松本潤担ブログ @ニューヨーク830番地

遠くても。同じ空の下、繋がってるよ、とあなたが言ってくれるから。

Talk Like Singing千秋楽に行ってまいりました。

行って来ましたよ〜。

慈英さんが素晴らしい!

堀内敬子さん、その歌声はベルだ〜。(四季で美女と野獣のベルでしたよね。)

もう一人の方もなかなかよかった。

慎吾ちゃんも、思いかけず(失礼;)よかった。やっぱり彼は声量があるし、歌もSMAPの中では一番上手っぽいから、ミュージカルに向いているのかもしれませんね。

それにしても、三谷さんっていうのは凄い人です。

彼自身も凄い人なんだけど、スーパースターの慎吾ちゃんと、超実力派俳優の慈英さんと敬子さんを引っさげてニューヨークでプレミアをぶち上げることが出来るのは本当に凄いことです。

さて、私が一つ気になったのは、日本人の観客の皆さんの着席に於けるマナーです。

日本では、自分で勝手に自分の席を探して着席するのはごく普通なんですが、アメリカでは違うんですよ。オフブロードウェイでも(オフオフだって)そこにアッシャー(席案内人)がいる場合は、入り口或いは通路の始まり時点で立ち止まって、アッシャーにチケットを見せ、案内してもらうのを待つのがマナーなんです。その際にプレイビル(今回はShowbillとなっていましたが)を貰うという仕組みになっています。案内してもらわないとプレイビル、もらえないんですよ。

でも残念なことに、皆さん、アッシャーを無視してがんがん突き進んで行かれて…。

アッシャーのお姉さん、苦笑いしてました。

まぁ、口で案内されてもどうせ何言ってるのかわかんないし、ってこともあるでしょうね。

でも郷に入っては郷に従え、でアメリカにおける観劇マナーに則ってスマートに着席して頂きたかった。ま、知らなかったんでしょうから悪気は無いし、仕方ないことですよね。文化の違いってことだ。

ツアーコンダクターさん、皆さんに一言教えてあげておいて欲しかったです。

え〜、ここからは思いっきりネタばれなので、日本でこれから見る人のために続きにしておきます。

さて、続きです。

辛口です…。

なんか…三谷さんの脚本にしてはスベってる感が否めないのは、きっと中途半端な英語と日本語のミックスのせいなんでしょうね。爆笑の連続、というのを期待していたのに肩透かしをくらった感じ。私は慈英さんの早口の英語も聞き取れたけど、そういう問題以前に。

私が個人的に面白い!と笑ったのは最初の方の「下駄3足貰った」くだりです。あとは三谷さんらしいコメディーなんだけど、やはり英語に翻訳してあるからかすべるすべる。

あれ、日本からわざわざ見に来た英語の分からない観客ははなっから意味不明だろうし、日本語の分からない現地観客も日本語の場面ではついていけないんじゃないでしょうか。

もちろん、三谷さんの言う、「本当に面白いものなら英語だろうと日本語だろうと面白いし楽しめ」るという説には同意しますが、私が英語が良くわかっていなかったOL時代に見たオフのNunsenseで受けたほどの笑撃(衝撃)は今回受けられませんでした。

あとダイソンと助手が中途半端に仲が悪いの、なんとかなりませんかね。仲が悪い必要性がはっきりしなくて、後味が妙に悪いんですけど。

それから、医者なり研究者なりが患者と個人的に恋愛に堕ちるのは(アメリカでは特に)倫理的にあってはならないので、もっと「禁じられた恋」的にやってくれないとすごく納得がいきません。

そして、ニモイ先生ですが。言葉が大好きで「10回幸せって言えば幸せな気分になれる」なんてポジティブなことを言う人が、「音楽は私の人生に必要ない」とか言うのがどうもしっくり来ない…。ま、そんな彼女だからこそ、簡単にターロウの影響を受けたとも言えますがね。

さてさて、ミュージカル作品として致命的なのは、曲がね、あんまり耳に残らないんですよ。リプライズも何度かしているのに、終わった後に口ずさめない。記憶に全く無い、というのは言いすぎですが、覚えてないんですよ…。ブロードウェイのミュージカルというのは、曲がそれぞれ独立してヒットし得るという風に作曲されているはずなので、必ず一曲はメロディーが耳に残って、劇場をハミングしながら出るというのが普通なんですが、今回のこれに、それは無かったです。しばらくしたら思い出すかしら…。(そういうこともたまにあるので。)

そして慈英さんのことだからショーストッパーとかなるのかな?と期待していましたが、そういった曲にも恵まれませんでしたね。まぁ、慈英さんがあんまりでしゃばっちゃうと、コズモの時と同じになっちゃうから(つまり主役を食いまくってある種顰蹙モノ)、計算ずくなのかもしれませんね。

それでも毎日通っているらしい観客の皆さんは、アンコールで一緒に振りをやっていましたね。微笑ましいと思いました。アンコールも一回くらい多くやってくれたのかな?楽日だしね。

これ、日本ではきっと全幕日本語で上演されるんでしょうね。多分、そうすることによって私の言う違和感は取り去られるんだと思います。

すごく辛口で恐縮ですが、日本で上演の際には脚本と演出をもうちきっと練り直した方がいいかもしれませんねぇ…。あと、曲のリプライズの仕方を変えるとか…?慎吾ちゃんが思いっきり歌って踊れるシーンを一つバーンと作ってやらないと、なんか消化不良な感じが消せませんよ。せっかくSMAPの人に出てもらっているんだから。

散々辛口なこと書き散らしましたが、三谷さんの挑戦は賞賛に値するし、俳優陣、バンドの皆さんもとても頑張ってらっしゃってそこはとてもよかったです。作品としての満足度は…決して満点はつけられませんが、今回のニューヨーク公演を見ることが出来て光栄です。

また他の作品でもニューヨーク公演、期待してます!

辛口Theatre-goer、にこりんでした。